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「期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を否定した最高裁判所の判決以前に貸金業者が同特約の下で制限超過部分を受領したことのみを理由に,当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益者」と推定することはできない」(平成21年7月10日判決)*最高裁判例集より

この判決は、過払い請求をしようとしている人にとって、あまりよい判決ではありません。ある時点以前の過払い金には利息を付けて返してもらうのが難しいケースが出てきたわけですから。
ただし、過払い金の元本を返還請求するのに影響はありませんし、利息請求に関しても契約の際の説明など、 他の要件によります。
以前は過払い金には利息を付けて返還するよう求めるのが一般的でしたが、この判決で、ある時点以前の分に関しては、契約の際の説明文書等次第では、利息の請求が難しくなったということです。

少し解説すると、民法704条は受益者が悪意の場合には、利息を付けて返還しないといけないと定めています。
悪意というのは、このケースでいえば、業者が違法利息を受け取っていた場合に、業者自身がそれを不当なもの(法律上原因がないもの)と認識していたことを言います。
今回の判決は、*ある時点以前は、みなし弁済として有効だという考えを業者が持っていたのはやむを得ないから、利息は制限できない、という趣旨といえます。

ただ、あくまで、「受け取っていたというだけでは悪意と推定できない」というだけであって、 みなし弁済が成立していると業者が考えてもやむを得なかったといえるためには、懈怠約款以外の点において みなし弁済の条件が整っていたことが必要になると考えられます。

それゆえ、今回の法理がすべてのケースにおいて債務者(過払い債権者)に不利に働くものではありません。

*最高裁がみなし弁済に厳しい要件を課すことを判示した平成18年1月13日。

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