標準的な返済期間と長期分割の必要性

任意整理においては、通常は5年以内に返済する和解(もちろん、いつ、いくら返すかは具体的に決めます)をすることが多いです。これは多くの消費者金融やカード会社がめどとしているからという面が強いのですが、家計の状況によっては5年では難しいという方もおられます。任意整理の場合は、原則として和解後の利子はゼロになるのですから、返済期間が長い和解をしても総額が増えるわけではなく、債務者にとっては月々の負担が小さくなるというメリットがあります。それゆえ、例えば、「債務総額は500万円あるが、60回で割った約8万円ちょっとという額は厳しい。どうにか月々6万円で和解出来ないか?」というように長期分割を希望してご相談に来られる方は良くおられます。当事務所としては、できるだけそのような相談にも応じるようにしています。

 ただ、消費者金融やカード会社等から見れば、返してもらうまで時間がかかるというデメリットがあることになります。それゆえ、多くの貸金業者等は長期分割に上限を設けています。したがって、必ずしもご希望の通りに長期での和解ができるとは限らないのも事実です。ただ、その上限を絶対的なものとして運用している業者もあれば、目安としているにすぎず比較的融通が利く業者もあります。また、上限も業者により異なります。それらの傾向を踏まえつつ、できる限り、ご依頼者様の生活再建に役立つように交渉をしていくのが当事務所の方針です。

業者の対応の傾向

 まず、一般的に多いのは5年(60回)を分割弁済の上限としているケースです。それを上回る回数での交渉をしても社内規定だから無理、と言われる業者もあれば、特別な事情を説明してくれればもう少し長くても応じるという業者、60回が目安だが72回くらいまではできなくもない、という業者、など様々ですが、5年60回というのは上限として一般的な数字であるといえるでしょう。
 ただ、中には、取引期間が短いと3年まで、など債務整理に至るまでの取引期間によって差を設けている業者もあります。
 一方、8年(96回)まで、あるいは、100回は下回ること、という緩やかな基準を設けているカード会社もあります。また、中には10年(120回まで)というところもあります。債務総額が多い場合に120回を超える回数で和解に応じてくれたカード会社もあります。

 ただ、注意が必要なのは、同じ業者でも長期分割が可能かどうかは状況により異なるということです。一般にはその債権者に対する債務額が大きい方が長期分割を認めてくれる可能性は高くなるといえます。例えば、50万円の債務を100回払いで認めてくれるケースはかなり少ないですが、300万円の場合だと債権者によっては認めてくれる可能性がそれなりにあります。また、債務額以外の事情を考慮する業者も多いです。例えば、5年までは特に事情を問わずに認めるがそれ以上は家計の状況や5年では返せない理由を合理的に説明してくれればある程度長くても認める、というような対応をするカード会社もあります。業者としては早く返してほしいけれども家計の事情次第ではある程度やむを得ないと考えているのだと思います。任意整理が生活再建の手続きであることを考えれば、このように個別の状況(給与、支出、家族構成、年齢、など)を考慮して交渉が進んでいくことは自然なことではあります。ただ、そのような事情は有利に考慮してもらえることもあれば、不利に考慮される(例えば定年が近いから長期分割は認めない、など)場合もあります。
 このように、5年を超える分割についてはケースによっては容易ではありませんが、ただ、比較的簡単に交渉が進む場合もあります。

あくまでこれまでの交渉の上で得た感触ですが、ニコス、オリコ、ジャックス、ポケットカード、などは5年をかなり超える長期分割に応じてくれる可能性がある業者で、アコム、プロミスも、レイク(新生フィナンシャル)も5年をやや超えるくらいなら応じてくれることがある(ただし、これらの消費者金融は取引期間によっては5年にも難色を示すことがあり、上記カード会社よりはやや厳しい感じがする)、これらの業者が債権者の場合は5年での返済が難しそうな場合でも任意整理がうまくいく可能性がある程度あります。
*あくまで例であり、他にも5年を超える分割和解ができたことがあるカード会社等はあります。

一方、楽天やモビットのように5年を超える和解は一切不可というところもあります(楽天は以前は緩かったのですが、最近はそういう運用になっているようです)。モビットは取引期間が短いと5年も難しく3年程度の分割にしか応じてくれないこともあります。他にも5年が上限というカード会社は何社かあるようです。

その他、少数ですが、2年、3年、という短期での返済を求めてくる業者もありますので、注意が必要です。ただ、それはかなり少数なので、基本は5年程度を考えると良いと思います。

ご相談について

いずれにせよ、ご相談いただければ、個々の事案に即して、任意整理でできる可能性について、めどを伝えさせていただきます。ただ、業者の傾向は急に変わることがあり、また、5年を超える長期分割に応じてくれるかどうかは多くの場合個々の事情にもよるので、最終的には交渉してみないとわからない部分もあります。ただ、実際に、これまで5年を大きく上回る分割弁済の和解に成功したケースは多くあるので、5年での支払いは厳しいという場合でも、任意整理ができる場合もありますので、まずはご相談ください。当事務所では、債務整理については相談だけなら無料です。

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