任意整理で残元金を減らせるか?

1,任意整理の仕組み

任意整理においては、弁護士は債務者の依頼を受けて、各債権者に通知を送り、取引履歴を取り寄せます。取引履歴を確認し、利息制限法の上限を超える取引があった場合は、引き直し計算(適法利率での再計算)を行って、正しい残高を算出します。一方、もともと適法利率での取引の場合は、そのまま債権者一覧表に残高を記入します。

そうして、判明した残高について、元金を今後の利息なしで返済するという条件で交渉し、和解をするのが任意整理の基本的な仕組みです。

2、任意整理のメリット

任意整理のメリットとしては、

  • 将来の利息がなくなる
  • 月々の返済額を交渉で決めることができる(ただし、一定の限界はあります)
  • グレーゾーン金利での取引があった場合には残高が減る

ということが挙げられます。

また、破産手続きと違い(住宅ローン債権者など担保権者に介入しなければ)住宅などの資産に影響しない、必ずしもすべての債権者に介入しなくて良い(例えば車を手元に残したいという場合にオートローンは整理対象から外すということもできる)、裁判所の手続きではないので書類の準備などの手間がかからない、ことが他の債務整理手続き(破産、再生)と比べて良いところだといえます。

残高が減る場合と減らない場合

グレーゾーン金利があった場合

上記の通り、グレーゾーン金利での取引があった場合、適法利率での引き直し計算をします。引き直し計算では利息制限法の上限を超えた部分について元金に充てたとみなして計算する方法であり、これによって残高が減ることになります。そうして元金に充てたとみなして計算して完済になり、なお余りが出る場合は、過払い金として、返還請求をすることができます。

一方、減額されたけれども完済に至らない場合は、残高を分割弁済する交渉をすることになります。

なお、グレーゾーン金利というのは、利息制限法を超えたが出資法の上限を超えない利率のことであり、かつては消費者金融やカード会社の多くがこの利率で貸し付けをしていましたが、2010年6月施行の法改正で廃止されました。参考として、利息制限法の上限利率を記載します。

  • 元金が10万円未満の場合 20%
  • 元金が10万円以上100万円未満の場合 18%
  • 元金が100万円以上の場合 15%

2010年6月以前の契約だとグレーゾーン金利での取引がされている可能性がありますが、大手消費者金融や大手カード会社の多くは2007年には新規契約の利率を適法利率内に下げたので、多くの場合は2007年以前から取引をしていたかどうかが一つの目安になるでしょう。もっとも、中小業者だと2010年6月の法改正直前までグレーゾーン金利で契約していた事例もあります。

いずれにせよ、取引履歴の開示を求めれば明らかになります。

もともと適法利率の場合

法改正以後に初めて行われた取引であったり、銀行や信用金庫などの取引、あるいはカード会社でもショッピングの取引では、何か特別な問題が生じていない限り、利息制限法の上限を超える取引はありません。そうすると、残高の元金は減らないことになります。

もっとも、長く滞納していた場合にすでに発生している遅延損害金をカットして元金で和解してもらうことで実質的に減るケースもあります。(ただし、遅延損害金をカットしてもらえるとは限りません)

本来は、元金で分割弁済を認めてもらいたいところですが、和解日までの利息・遅延損害金を付けることを求めてくる場合もあり、元金で和解できるかどうかは業者によります。しかし、ほとんどの場合、将来利息(和解日以後の利息)はなくして和解ができます。

3,残高が減らない場合における任意整理のメリットとは?

残高が減らない場合、任意整理にはあまりメリットがないように思えるかもしれません。しかし、将来の利息がなくなるということは大きなメリットです。なぜなら、今後の返済がすべて元金に充当されることで、確実に残高が減っていくからです。(和解日までの利息や遅延損害金を含めた額での和解になる場合もありますが、その場合でも、和解日以降の利息は発生しないで、返済しただけ減っていきます)

結局のところ、将来利息分を返済しなくて良いのですから、返済総額は減ることになります。和解時点での「元金」は減らなくても以後に返済しないといけない金額の合計は少なくて済むということになります。

また、交渉により、月々の返済額を定めることができることもメリットです。例えば、今、債務総額が300万円で月々の支払いが10万円だとします。これを、利息なし、60回分割、で和解できたとします。そうすると、月々5万円の返済でよくなります。こうして、月々の返済を減らすことができれば、家計の改善を図ることができます。

なお、分割弁済の回数が多いほど月々の支払いは少なくて済むわけですが、債権者も極端な長期分割には応じてくれないので、そういう意味では限界もあり、このように分割弁済にしてもなお支払いが難しいという場合は、民事再生や自己破産という別の手続きを検討する必要があるということになります。長期分割の限界については別の記事でも触れましたが、一般的な分割回数は60回程度であり、状況により、また、業者により、72回~99回、場合によっては120回程度までの長期分割ができる場合がある、というところです(ただ、100回を超える和解ができる業者はかなり限られています)。一方、状況により、3年36回まで、あるいは、4年48回での和解を求められる場合もあり、一概にはいえないところです。感覚的には、5年~6年程度で返済できるのであれば成功する可能性が高いですが、やはり、どの債権者か、ということや、それまでの取引年数、債務残高、等の状況にもよりますので、まずはご相談ください。

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