持ち家があっても同時廃止で通る場合

1.持ち家があれば、原則として管財事件になります

持ち家がある場合、原則として管財事件になります。なぜなら、管財人が持ち家を処分して、その売上金を配当に回すという作業が必要だからです。すなわち、通常、不動産の処分は競売ではなく、管財人が不動産業者を通す等して、売却をします。

(破産申立前に裁判所の競売手続きが進んでいる場合は、そのまま競売での処分が行われる場合もあります)

そして、管財人は売却で得た対価を破産財団に組み入れて、裁判所の許可を得て債権者に配当するわけです。もっとも、住宅に抵当権が付いている場合は、まず抵当権者が支払いを受けるので、それでも余った場合だけ、配当手続きが行われるのが基本的な流れです。

2.持ち家があっても同時廃止で通る場合

上記の通り、持ち家があると、通常は管財事件になります。では、申し立て時点で持ち家があっても管財事件にならない(同時廃止で通る)場合はあるのでしょうか? 実のところ、東京地裁では、抵当債権(住宅ローン)の額が住宅の評価(査定額)の1.5倍を超えている場合は、同時廃止で通る場合があります。この場合、仮に管財人が売却しても、その金額が抵当債権の金額を下回り、抵当権者(住宅ローン債権者)以外の債権者に配当する原資を生み出すことができないと思われるからです。そのような場合に、管財事件にしても、資産を換価して債権者へ配当するという目的を達成できません。そこで、裁判所は、そのような場合には同時廃止での開始決定を出すことがあるというわけです。

これを、オーバーローンで、かつ、ローンの額の方が評価額の1.5倍を超えている場合という意味で、「オーバーローン1.5の同時廃止」、というような呼び方をする人もいます。もちろん、正式の用語ではないですが。

*なお、1.5倍というのは東京地裁の基準なので、裁判所によっては異なる数値が用いられていることもあるようです。

3.同時廃止になった後、不動産はどうなる?

同時廃止で終わった場合、不動産は管財人による換価がなされないため、とりあえず、債務者の所有のまま、残ります。しかし、その後抵当権者(住宅ローン債権者)が競売申立てをする可能性は充分にあります。なぜなら、抵当権者から見れば抵当権を実行すれば、それによる売却代金を受け取れるからです。したがって、ずっと住み続けられる可能性は低いと言わざるを得ません。

4.それでも管財事件になる場合

上記のように、オーバーローンで住宅ローンの残高が査定額の1.5倍を超える場合、同時廃止で通る可能性があります。しかし、他に管財になる理由がある場合は、結局、管財事件になってしまいます。

管財になる代表的な場合としては、資産があり換価が必要な場合、免責不許可事由があるかその恐れがあり免責調査が必要な場合、事業者の破産である場合(例外はあり)、ですが、それらに当てはまれば、住宅の換価のために管財人を付ける必要がない案件でも管財事件になると考えられます。

例えば、浪費が原因で借り入れをして破産に至った場合、ギャンブルをしていた場合、住宅以外に換価対象の資産がある場合(例えば、東京地裁立川支部の基準だと、20万円以上の預貯金、20万円以上の価値がある自動車、99万円以上の現金、退職金請求権(通常は1/8の計算で20万円以上の場合)、など)、事業が原因の借り入れで破産に至った場合、など、は基本的に管財事件になると考えられます。

*資産については、裁判所により管財になる基準が異なる場合があります。

5.自己破産の相談は弁護士に

自己破産については、ぜひ、弁護士にご相談ください。当事務所では、多くの自己破産案件を扱ってきました。同時廃止、少額管財、いずれも多くの取扱い経験があります。自己破産の他、民事再生(小規模個人再生、給与所得者等再生)、任意整理、についても多くの経験があるので、どの方法が良いか迷っておられる方も、まずはご相談ください。

ご相談には、まずはお電話か電子メールでのご予約をお願いします。ご予約の上、立川の事務所までご来訪ください。平日は午後9時まで(電話受付は午後7時まで)、日曜日は午後7時までの営業となっております。当事務所では、債務整理(自己破産、民事再生、任意整理、など)や、過払い金については、相談だけなら無料となっております。

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