自己破産のご相談

自己破産とは、原則的にすべての借金をなくして、代わりに、持っている財産(20万円未満の預貯金や身の回りの品等の、自由財産は除く)を債権者に分配する手続きです。

個人の自己破産の解説です。法人については、こちらをご覧ください。

自由財産の基準は裁判所により異なる場合があります。

また、免責決定を得れば、債務の支払いをする義務がなくなります。
それゆえ、借金はあるけど資産はないという人には特にメリットがあります。
逆に、住宅などの資産を持っている方の場合は、原則的に資産を失うことになるというデメリットがあることは否定できません。

ただ、とても返せないような借金を背負いこんでいる場合には、人生の再出発のために、非常に効果的な手続きであることは間違いありません。(免責が認められる場合)
これによって債務をなくせば、手続き開始後の収入(手続き開始後に権利が発生した収入)はすべて通常の所得として自由に使えますし(もちろん、税金や保険料は払わないといけませんが)、それ以後に形成した財産は、破産前の借金のためにとられることはありません。
破産は決して人生の終わりではなく、借金生活の終わりであって、再出発です。

たしかに、破産申し立てによって、管財手続きになれば、数か月の間は引っ越しが許可制になるなどの不自由はありますが、免責が下りれば、たとえそれまでの借金が数千万円あっても、原則的に、一円も返さなくてよくなるのです。

ここで、例外があり、悪意による不法行為に基づく債務、民法上の扶養義務に基づく債務、税金及び公的保険料など消えないものがいくつかあります(破産法253条但し書)。養育費が免責対象にならない点は該当する方には要注意です。

借金をなくして新たな気持ちで人生をスタートすることを応援する制度です。もう少し堅い言葉でいえば、生活の再建のための手続きと言えます。
借金が無くなれば、とりあえずの生活が安定するのはもちろん、子供の教育、老後の備え、住宅の取得、など様々な、前向きな話にお金を使えるようになります。

破産手続きは、決して、怖いものではありませんので、ご検討の方は、ご相談ください。

なお、ギャンブルなどが原因の場合も、東京地裁の近年の扱いでは、免責(債務を免除すること。破産はこれを目的に申し立てられる)が認められることが多く、裁判例を見る限り、近年では、免責が認められなかったのは、詐欺的な借り入れをしていた場合のような、よほど悪質な場合に限られています。

ただし、弁護士に依頼後は、浪費をやめる必要があります。その他、弁護士や、申し立て後は裁判所、管財人の指示に従ってください。

破産手続きの流れ

破産を選択する場合、まず、弁護士が介入通知を出して、業者からの取り立て(電話や郵便などの連絡)を止めます。同時に、取引履歴を要求し、通常、数週間から数か月で取引履歴が送られてきます。

次に、取引履歴のデータをパソコンに入力し、グレーゾーン金利での取引があったと思われる場合は、利息制限法に基づいて再計算をします。これを引き直し作業と言います。これによって、現在残っている債務の正確な額が判明します。ここで、過払い金が発見され、返還請求をすることで、破産手続きの必要性がなくなる場合もあります。
一方、銀行での借り入れが比較的最近の借入である場合には利息制限法を超える取引ではないと考えられるので、その場合は、原則として、債権届け出に記載されている債権額が債務額となります。

債務の額が確定したら、他の書類の準備ができ次第、裁判所に破産申し立てを行います(なお、原則として申し立てまでに、分割で費用の積み立てをお願いします)。
なお、債務の額が思ったより低く、破産の必要がない場合には、裁判所への申立て前であれば、任意整理など他の手続きに切り替えることもできます。

破産を申し立てることに決めたら、まず、弁護士が裁判所に破産申立書を提出します。それにより、同時廃止になるか、管財事件になるかが、決まります。
同時廃止になれば、開始決定後、2か月程度後に免責審尋が行われ、それから1週間程度で免責決定が出るのが通常です。

一方、管財手続きになれば、管財人が選ばれますので、1?2週間の間に、管財人との面談を行うことになります。
管財事件の場合は、通常、開始決定から2か月?4か月ほどのちに債権者集会が行われ(管財予納金を一括か分割かにより時期が異なります)、その時点で管財人がすべき業務が終わっていれば、同じ日に免責審尋が行われます。その場合、1週間ほどで免責決定が出るのが通常です。

ただし、東京地裁本庁以外の裁判所では、管財予納金を納付しないと開始決定が出ない扱いとなっている場合が多いです。
一方、資産の売却が済んでいないなど、管財人の仕事が終わっていないと、債権者集会は、1回では終わらず、ある程度(通常は2か月~3か月程度)間をおいてもう一度行うことになります。その場合も、最後の債権者集会に続いて同日に免責審尋が行われ、あとは同じように免責決定へと進みます。

この間、ご本人様に手続きのために出かけていただくのは、同時廃止の場合は、免責審尋(裁判所で行われます)の際の1回だけ、管財事件の場合は、原則として管財人訪問(管財人の事務所で行われます)の1回と、債権者集会・免責審尋(裁判所で行われます)の際の合計2回、ということになります。
(ただし、管財事件の場合は債権者集会の回数が増えることがあります。資産がある場合や、事業者の場合は、複数回になるケースが比較的多いようです)

同時廃止と管財

破産手続きは大きく分けて、同時廃止と管財事件があります。同時廃止は、開始決定と同時に廃止されるから同時廃止といいます。すなわち、始まると同時に終わるという意味ですが、免責審尋は別途開かれます。一方、管財は管財人が付くから管財事件と呼ばれます。

管財人が付く理由は、おもに以下の3個です

  • 資産がある場合
    資産を管財人が処分して換価し、債権者に分配する必要があります。
  • 免責不許可事由がある場合
    裁判所が裁量免責をして良いかどうか事情を調査するために管財人が活動します。裁判官は管財人の調査を参考に免責の可否を決めます。
  • 事業をしていた場合
    事業をしていた場合は、資産や債権債務関係などに処理しないといけない問題が残されている場合が多いため、原則として管財事件とする扱いがされています。

いずれの手続きも破産法が適用される点では変わりませんが、破産者から見ると、かかる費用や時間等が変わってきます。同時廃止の方が比較的費用が掛からず早く終わるので、可能であれば申立ての際に同時廃止を希望したいところですが、決定するのは裁判所なので、希望がかなわない場合もあります。

破産手続きの費用

破産手続きには、弁護士費用、実費、が必要であり、管財事件の場合は加えて管財予納金が必要となります。当事務所の場合、弁護士費用としては、令和2年7月現在、

  • 同時廃止は着手金20万円と税、成功報酬5万円と税
  • 少額管財は着手金35万円と税(成功報酬は、なし)

とさせていただいております。

その他、実費、さらに、管財事件の場合は、管財予納金(東京地裁では通常は20万円)が必要となります。

上記の費用は、原則として、分割での支払いが可能です。その間、債権者への支払いは停止していただき、弁護士費用等の積み立てを行なって頂く形になります。期間的には、通常、数ヶ月程度~1年程度での分割をお願いしています。

免責が認められるか?

なお、債務が免除されるためには、裁判所による免責許可決定を得る必要があります。もっとも、「免責不許可事由」がなければ免責が認められることが破産法では決められています(252条)。それゆえ、何も問題がない場合は、免責されます。

では、免責が認められない場合とは、どういう場合でしょうか。
破産法において、浪費や財産の流出などが、免責を不許可にする事が出来る場合(免責不許可事由)として、規定されています。 ただし、免責不許可事由があるからといって、必ず不許可になるわけではなく、裁判所の裁量で許可される場合も多いです。近年は東京地裁では、ほとんどのケースで免責が認められている(近年は、申し立て件数に対する免責決定の割合は99%を超えている)ので、たとえば借金の原因がギャンブルや、その他の浪費の場合でも、破産手続きをやってみる価値は十分にあります。

一方、これまで実際に不許可になった場合として、判例をみてみると、ギャンブルが原因で借金を増やしてしまったのに弁護士に依頼後もクレジット会社を騙してショッピング機能を使い購入を続けたケース、数百万円の株式投資による損失が原因で破産を申し立てた人が、申し立ての時点で銀行口座の全容を裁判所に明らかにせず、あとから判明し、その理由も十分に説明できなかったケース、などが現れています。

ギャンブルなどの浪費が原因で借金を増やしてしまった場合、重要なのは、借金の原因となった行為(たとえばギャンブル)を今後は行わないこと、債務整理をすると決めてから新たに借り入れないこと、申し立て書には資産や銀行口座を包み隠さず記載すること、裁判所や管財人の指示にはしっかり従うこと、などです。
気をつけていただきたい点は、相談の際にお教えしますので、ご安心ください。
(ただし、債務整理をすると決めたら、相談前であっても、新たな借り入れはしないでください)

破産手続きのメリットとデメリット

メリット

  • 弁護士が入った時点からカード会社などの債権者からの連絡は基本的になくなる
  • 免責を得られれば債務はすべて消える(非免責債権を除く)
  • 開始決定後に得た資産は問題にならないので、手続き後に預貯金などの資産形成をすることは自由である

デメリット

  • 住宅などの資産は原則として失うことになる
  • すべての債権を対象にする必要がある
  • 信用情報に記載される
  • 官報に載る
  • 特定の職業について免責が確定するまでの間制限される(不許可の場合は10年間)
  • 裁判所にいかないといけない

などがあげられます。

最後に

このように、破産は、免責が認められれば、基本的にすべての債務の支払い義務をなくして再出発でき、また、ほとんどのケースでは、裁判所や管財人に誠実に対応すれば免責は認められるのですから、決して、怖いものではありません。

もちろん、どうしても返せない場合にための手段であるのは確かですが、精一杯頑張っても無理だった場合は、法律で認められた手続きですから、免責を得ることを検討してもかまわないのです。破産ということに対して不安を感じるのは当然ですが、手続きで裁判所等に行く時には必ず弁護士が付き添いますし、わからないところは丁寧にお教えしますので、ご安心ください。

この文章を読んでいただき、破産制度に対する誤解や誤ったイメージを解消していただければ、幸いです。

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