破産事件における給与明細の提出について

破産事件における給与明細の提出

自己破産を申し立てるとき、給与明細2か月分の提出を求められます。必要なのは、基本的に、申立て直前の2か月分となります。また、本人分だけではなく、配偶者の分についても提出を求められることが多いです。
*裁判所により、また、個々の案件により、求められる資料に違いがある場合もあります。

給与明細の提出が求められる理由

なぜ、破産事件では給与明細の提出が求められるのでしょうか? これは、家計状況の把握のためだと思われます。たしかに、破産者自身の記載を元にした家計一覧表は提出しますが、それだけだと客観性が不十分です。そこで、第三者である勤め先が発行した給与明細の提出を求めて、収入について把握することになっているというわけです。

破産手続きで家計が重要な理由

破産手続きにおいて、家計は、複数の意味で重要です。まずは、支払不能の状態にあるかどうか、です。これは破産手続きの開始要件の問題です。もっとも、破産法上、支払停止により支払不能は推定されますので、通常は特に問題にはならないのですが、その推定を覆すような例外的な事情がないかという意味で、裁判所は確認していると思われます。
次に、浪費などの免責不許可事由の有無を調査する、という意味があります。特に、弁護士に依頼後や裁判所への申立て後に浪費やギャンブルがあると、免責に影響が及ぶ恐れもあります。
さらに、仮に免責すれば生活の再建が可能かどうか、を確認するという意味での検討もなされます。免責の目的は生活再建ですので、せっかく従来の債務の支払い義務がなくなっても、借り入れをしないと生活が難しい家計状況では困るわけです。そこで、家計の提出を受けた裁判所は免責審尋の際に、問題点があれば指摘するのが一般的です。

給与明細について他に確認される点

給与明細については、家計の状況を検討するということ以外にも用いられます。それは、申立て時における積立金等の調査です。すなわち、給与明細には税金や社会保険料などの控除が記載されていますが、それ以外にも控除があることがあります。これが積立金のようなものだと、退職時に返金されるものか、が重要です。なぜなら、退職すれば返金されるとすれば、資産とも考えられるからです。
積立金等が資産とされると、管財事件の場合、退職した場合と同等の額を破産財団に組み入れるように求められる場合もあります。それゆえ、申立て時点において、資産性のあるものかどうかの検討が必要です。

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