2回目の民事再生を行う場合の注意

民事再生を2回行うことはできるか?

個人の方が、民事再生(小規模個人再生や、給与所得者等再生)を2回行うことはできるでしょうか? つまり、1回再生をして、その後、また借り入れをして、返済が難しくなり、再度、民事再生の申立てをすることはできるでしょうか?

これについては、基本的に可能です。ただし、給与所得者等再生は認可決定から7年以内には再度は行なえない、ハードシップ免責を得た場合も給与所得者等再生は7年以内には行えない、という制限はありますが、そのような例外を除き、民事再生を再度行うことは可能です。

再度の民事再生で気を付けるべきこと

Ⅰ 住宅資金特別条項がない場合

まず、住宅資金特別条項がない場合を考えます。つまり、住宅ローンはなく、カードローンや消費者金融の借り入れなど一般債権だけがあり、それを民事再生で減額してもらって、支払い終えたとします。それから、しばらくして再度借り入れをしたものの、また債務が増えてきてしまい、やむを得ず、再度の民事再生を申立てるに至ったとします。このような場合には、手続き的には最初の再生の時と特に変わりません。

Ⅱ 住宅資金特別条項を用いた場合

一方、最初の民事再生のときに住宅資金特別条項を用いて再生を行い、一般債権については完済している場合を考えます。つまり、住宅ローンはまだ払い続けているけれども、それ以外については再生計画案に基づいて完済したとしましょう。

この場合、完済してしばらくすると信用情報もいわゆるブラックではなくなり、カードの審査も通りうる状態になると思います(もちろん、一般論ですが)。そうすると、そこで再度カードローンを利用したり、クレジットカードでショッピングをしたりする方もおられます。それで通常通り返済して良ければ良いのですが、収入が減ったり思いがけない支出があったりして返済が難しくなり、再度民事再生を申立てることを考える場合もあります。その時点で、住宅ローンを完済していない場合も珍しくありません。

では、この場合(住宅ローンは完済していなくて、一般債権は1回目の再生で完済している場合)、前回同様、民事再生(小規模個人再生、給与所得者等再生)を申立てれば、今ある債務を最低弁済額基準(例えば、5分の1)に従って減額できるでしょうか?

実は、この場合、それほど話は簡単ではありません。民事再生法190条を見てみましょう。

第百九十条 再生計画の履行完了前に、再生債務者について破産手続開始の決定又は新たな再生手続開始の決定がされた場合には、再生計画によって変更された再生債権は、原状に復する。ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさない。

問題は、この条文の本文です。再生計画が履行される前に次の再生を申立てると、再生債権は元に戻ってしまうという意味のことが書かれています。つまり、第1回の再生で減額した債権は元に戻ってしまうわけです。

ここで、おそらく、多くの方は、「あれ? 最初の再生に基づく債務は完済したという前提ですよね?」と思ったのではないでしょうか? たしかに、一般債権は完済になっています。しかし、住宅資金特別条項により支払いを続けてきた住宅ローン(住宅資金貸付債権)は完済になっていないわけです。そして、住宅ローンの返済も、再生計画案には、住宅資金特別条項として、「再生計画認可決定の確定した日以降、原契約書の各条項に従い支払う。」というような定めがあるはずです。つまり、再生計画に含まれるわけです。そうすると、住宅ローンを完済していない場合には、まだ再生計画の履行は完了しておらず、それゆえ、190条1項が適用され、減額の上完済した一般債権も元に戻ってしまうわけです。ただ、それも新たな再生手続きにおける減額の対象にはなります。また、もちろん、返済した分は反映されます(返済が無効になるわけではないです)。

完済前の再度の申立てに該当する場合の実務

上記のように、「住宅ローンがある状態で最初の民事再生を行い、一般債権は完済になったものの住宅ローンが残っている状態で、別途カードローンなどを借り入れて返済が困難になって、再度民事再生をする場合(この時点でも住宅ローンが残っている場合)」には、最初の再生で減額した分も、元に戻るという規定があります。では、実際に、すべて元に戻ったということで手続きが進んでいくのでしょうか?

実のところ、実務では、再度の再生の時には、債権者によっては、前回完済になっているから今回は債権届をゼロで出す、と言ってくれることもあり、必ずしも以前の分がそのまま復活するとは限らないです。ただ、債権者の権利としてはやはり前回の再生がなかった前提で債権届を出すこともできるし実際にそうする債権者もあるので、やはり、前回分がすべて元に戻る可能性も念頭に、再生をするかどうか決める必要があります。そうすると、債務総額がかなり大きくなる恐れもあります。

ただ、債務総額(住宅ローン以外)が1500万円以上3000万円以下の場合は最低弁済額基準だと300万円、債務総額が3000万円以上5000万円以下の場合は10分の1、となるので、債務が膨らんでも弁済率の関係で、必ずしもそのまま最終的な弁済総額が大きくなってしまうわけではありません。

もちろん、2回目の場合も、清算価値基準を満たす必要もあり、給与所得者等再生の場合には可処分所得基準を満たす必要もあります。

住宅ローンを完済しないままの再度の民事再生には、このようにややこしい問題もあります。当事務所ではこのような複雑なケースも経験がありますので、民事再生のことで悩んでおられる方は、ぜひ、ご相談ください。

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